―――運命なんて残酷･･･

―――“私たちが出会えたのも運命ね”って笑ってた

いつかの君･･･


たしかに、あの時はそうだったかも知れない･･･

君とすごした時間は、

今も僕の中に残ってる･･･


だけど、

僕が君を殺すのも運命だから･･･


･･･君はそれでも運命は良いものだって思ってる？

―――君が好きだったのは紛れもなく･･･

―――君がいつも話してくれるのは、

僕の知らない君の彼氏の話･･･


いつも聞かされる度に、苦痛だった

耳を塞ぎたくなるような、そんな話だった･･･


イラついたから･･･、

だから、そいつを殺した･･･


君が亡骸に駆け寄った･･･、

そいつの血を浴びながら、

抱きかかえた･･･


それが、嫌だった･･･

僕は、そいつを殺す理由はあっても、

生かす理由がなかったから･･･


これ以上、君に触れられたくなかった･･･

ほかの奴の手で穢れてほしくなかった･･･


だけど、君は奴のために涙を流してたから･･･、

僕が入る隙なんて、どこにもなかったんだ･･･


はじめから、君の瞳－ﾒ－に僕は写ってなかったんだね･･･

―――あんなに一緒だったのに･･･

―――いつからだった？

ずっと一緒に笑いあって、
楽しく過ごした時間が崩れていったのは･･･

いつからだっただろう･･･

ずっと涙して、
一緒に悲しんだ時間が消えていったのは･･･


ずっと話して、
時間も忘れるくらい一緒にいた時間が無くなったのは･･･



もう、こんなにも君が遠くて･･･

どうして･･･、
僕らはあんなに一緒だったのに･･･

―――今すぐ君に･･･

―――今すぐ君を抱きしめたい･･･

この気持ちを伝えたい･･･


繋いだこの手を離さないように、

ずっと握ってたい･･･


もう、ずっと離したくないと･･･


この気持ちを伝えに行くよ･･･

―――いつまでも泣いてちゃだめだよ

―――君は、昔から泣き虫だったよね･･･

そんな君が僕は好きだった･･･


でも、今はもう、君もいい大人なんだから、

いつまでも泣いてちゃダメだよ


もう、自分で立って歩いていく力があるんだから･･･

どうしても辛いときは、立ち止まったっていい


だから、勇気出して･･･

―――世界の考えってそんなもの･･･

―――今の世界は誰もが“おかしい”と疑問に持つと思う･･･

僕もその一人だ･･･



ねぇ、どうして、僕らはこんなにも苦しまなきゃいけないの？

僕らには生きる権利がある･･･

誰にも殺される権利なんてない･･･


生きてて当然のことなのに･･･


どうして･･･、

どうして、君が犠牲にならなくちゃいけないの？

どうして、君の笑顔が無くなってしまうの･･･？

どうして、君を失わなきゃいけないの･･･？


ねぇ、わからないよ･･･


失われてからじゃ遅い･･･

でも、今の僕じゃ世界を変えられない･･･


だから、僕は君という人生－ﾐﾁ－と共に、

これからを歩んでいかなければならない･･･